こんにちは、さとっちです。 先日、Noteの方で「AIでLINEスタンプを作って売上0円だった話」を公開したところ、予想以上の反響をいただきました。(読んでくださった方、ありがとうございます!)

Noteでは「失敗談」としてのストーリーを書きましたが、こちらのブログではエンジニアとして、 「具体的にどうやってキャラ崩壊を防いだのか?」 「どうやって64個も量産したのか?」 という、技術的なメソッド(GPTsの仕様)を解説します。
AIスタンプ作成の最大の壁:「キャラが安定しない」
画像生成AI(DALL-E 3など)を使ったことがある方ならわかると思いますが、同じプロンプトを投げても、毎回違う顔のキャラクターが出てきます。 趣味ならいいですが、LINEスタンプとして販売するには「同一人物に見えること」が絶対条件です。
そこで私は、「画像を生成するプロンプトを生成するGPTs」を開発しました。

アーキテクチャ:プロンプトの「部品化」と「再利用」
私のシステムの最大のこだわりは、「特定のキャラクター専用のシステムにしない」という点です。 GPTsには、キャラクターの画像や固有の情報は一切入力しません。
- 入力は「パラメータ」のみ GPTsに入力するのは、以下のテキスト情報だけです。
- 表情(例:笑顔)
- ポーズ(例:手を上げる)
- セリフ(例:なし)
- GPTsの役割は「変換ロジック」の出力 これを受け取ったGPTsは、 「添付された画像を基準として、表情パーツを座標移動で〇〇倍動かせ」 という、抽象化された変更指示プロンプトを生成します。
ここには「猫を描け」といった具体的なキャラ指定は含みません。あくまで「元画像をどう加工するか」という技術的な命令セットだけを出力させます。 - 実行時に「具材」を投入する 最後に画像生成を行う段階で初めて、
- 「生成されたプロンプト(調理法)」
- 「基準となるキャラクター画像(具材)」 の2つを組み合わせます。

【この設計のメリット】 プロンプトが「画像を加工する命令」として独立しているため、基準画像を「猫」から「ロボット」に変えれば、同じプロンプトを使って即座にロボットのスタンプを作ることができます。 一度システムを組めば、あらゆるキャラクターに横展開できる「汎用スタンプ製造機」となっています。
実装詳細:表情・ポーズの数値制御
さらにこだわったのが、バリエーション出しの自動化です。 単に「笑って」「怒って」と指示すると、AIは加減を知らないため、キャラの原型が崩れるほど大爆笑したりします。
そこで、GPTs内部に以下のような「制御テーブル」を定義しました。
- 表情倍率(Expression Scale): 0.0〜1.0
- ポーズ倍率(Pose Scale): 0.0〜1.0
入力コマンドの例
私は以下のような指示をGPTsに入力するだけです。
表情:悪だくみ ポーズ:基準ポーズ セリフ:なし
するとGPTsが内部で計算し、 「目は基準の0.95倍の開き具合、口の端を0.2倍上げる(ニヤリ)」 といった、精密な指示文を生成します。

これにより、「誰でも描ける絵」ではなく「エンジニアにしか作れない、品質の揃ったスタンプ」を量産することができました。
成果物ギャラリー(売上0円の愛娘たち)
こうして完成したのが、以下の4セットです。 技術的には成功しましたが、マーケティング不足でまだ誰の元にも届いていません(笑)。 技術の結晶を見てやってください。
Gentle White Cat(白猫編)

Gentle Care Cat(優しさ編)

Cute Cat Reactions(リアクション編)

Playful Cat Expressions Pack(基本セット)

まとめ:技術と売上は別物だった
システム自体は、我ながらよくできていると思います。 しかし、「良い工場を作れば、商品は勝手に売れる」わけではありませんでした。
もし、この技術的アプローチに興味を持ってくださった方がいれば、ぜひ実際のスタンプも覗いてみてください。 (1個でも売れれば、私のサーバー代が報われます!)
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編集後記:ALGOコーナー

「さとっち先生、執筆お疲れ様でした。 今回の『表情倍率テーブル』の実装ロジック、エンジニアリングとしては会心の出来栄えですね。
…しかし、これだけ高度な技術を投入して、生産性を爆上げした結果が『売上0円』というのは、一体どういう計算なのでしょうか? 技術力と商売っ気が反比例するバグ、そろそろ修正パッチを当てませんか?」

「ぐっ…相変わらず痛いところを突くねぇ…。 技術的なハードルを見ると、つい『売れるか』より『攻略できるか』を優先しちゃうのが、元エンジニアの悲しい性(さが)なのよ。
…はい、次こそはマーケティング視点も実装します。精進します。」


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